天然に近い飛翔性能を実現
人工羽根バドミントンシャトルコック開発に成功
ミズノでは、人工素材で構成した羽根(コンポジットフェザー)で、天然シャトルコックに近い飛翔性を実現したバドミントンシャトルコックの開発に成功しました。
この商品は初中級者(中学生以下)の練習用で、日本バドミントン専門店会※1オリジナル品として2010年1月10日より発売します。
(※1)日本バドミントン専門店会:全国のバドミントン専門店49社80店で構成される組織。バドミントンに
関する情報発信・技術指導・商品販売など、バドミントン普及・発展のために各地域で活動を行う。
天然シャトルの構造や特性を分析し、重心位置や空気抵抗の考え方を取り入れることで、質量5g前後という規定の中で天然シャトルの飛び方に近い飛翔性能を実現しました。また羽根や羽軸の素材や形状、構造などに工夫を施し、天然シャトルに比べおよそ3倍近く(当社調べ※2)の耐久性も兼ね備えました。
(※2)社会人および大学生の中級レベルの女子選手をモニターとして、天然シャトルとNS300でダブルスをそれぞれ3試合ずつ行い、消費数を比較した。(総打数2,749)
一般的にバドミントンシャトルはガチョウなどの水鳥の羽を用いて作られています。しかし、消耗が早いことや、近年の鳥インフルエンザ等の影響による水鳥原毛の価格高騰を起因とするシャトル価格の上昇などの現状から、耐久性向上と安定供給が求められていました。今回の人工羽根シャトルによって、競技者負担のシャトルコストの削減、練習環境の改善が期待されます。
バドミントンシャトル「NS300」
オープン価格(店頭想定価格¥2,300前後 税込み)
バドミントンシャトル「NS300」商品特長
(1)重心位置
シャトルの重心位置は飛び方に大きく影響します。天然シャトルの重心位置はコルク台先端から約30mmに位置し、人工素材でもその値に近づけるために羽根・羽軸部分の軽量化を追求しました。加えて、天然シャトルより1枚少ない15枚にすることで軽量化と重心位置の最適化に成功しました。
例えば紙飛行機の場合、重心位置の整ったものはスムーズな軌道を描いて飛びますが、そうでないものは、上昇後すぐ下降しながらまた上昇するという乱高下を続けながら落ちていきます。バドミントンシャトルにおいてもスムーズな軌道を描くためには適正な重心位置が不可欠となります。
(2)空気抵抗
天然シャトルは前方に進む際、羽根の後ろに空気の渦ができ、空気抵抗を受けることで急激に速度が低下します。今回のNS300では、天然シャトルと同様の構造で組み立てることで、空気の渦を作り、天然シャトルと同等の飛翔性能を実現しました。
(3)構造
(4)シャトル弾道の比較
(5)優れた耐久性
1試合<初中級(中学生以下)レベル>で消費するシャトルの数は、天然シャトルの場合3~5個程度ですが、NS300では1~2個程度になります。つまり、NS300は天然シャトルに比べ、およそ3倍近くの耐久性を備えています。
<当社調べ>
人工素材それぞれの持つ強度に加え、羽根先端部の2本の補強糸、羽軸の十字形状などによって優れた耐久性を実現しています。
趙 剣華(ちょうけんか)氏コメント
(元中国ナショナルチーム所属、1991年世界選手権優勝ほか)「トップ選手向けにはもう少し改良必要だが、天然シャトルに近い感覚で使用でき、長持ちするので初中級者の練習用には非常に良いと思う」
バドミントン市場に与える影響
天然のシャトルは一本でも羽が折れれば正しい軌道で飛ばなくなるため消耗が激しく、また近年、価格が上昇を続け、学校のバドミントン部などではクラブ活動費に占めるシャトル経費に悩まされているのが実情です。耐久性が向上することでシャトル消費量も少なくなり、競技者の練習環境が改善、さらにバドミントン普及に寄与できると考えています。
今回完成したNS300は初中級者(中学生以下)の練習用シャトル※3として発売しますが、今後は上級者のプレイにも対応できるシャトル完成に向けて、更なる研究開発を重ねていきます。
(※3)日本バドミントン協会検定合格球ではないため、公式試合では使用できません。
記
商品名 | コンポジットフェザーシャトルコック「NS300」 |
価格 | オープン価格 (店頭想定価格¥2,300前後 税込) |
素材 | ナイロン、発泡ポリエチレン、天然コルク |
種類 | 適正温度タイプ3、4、5 |
質量 | 約5.0g~5.4g |
原産国 | 中国 |
販売目標 |
初年度36,000ダース |
原文網址:http://www.mizuno.co.jp/whatsnew/news/nr091026/nr091026.html
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